T.GOODE&CO の刻印のカップソーサーを仕入れました。年代や窯元はどこか
青い花と金彩が見事なカップソーサーを一式仕入れましたので詳細を調べてみました。
裏の刻印T.GOODE&CO から調べてみる
地名のようなSouth Audley STと、社名であろうT.GOODE&Coの刻印が見受けられます。
前回同様またもや手持ちの英国陶器図鑑に詳細が載っておらず、がっかり
今回もネットで検索したところ海外のサイトより情報がありましたので掲載しておきます。
T Goode and Co は窯元の名前ではなく小売業者の社名だった
T.Goode and Co はメーカーではなく高級陶磁器、ガラス製品、銀製品などを販売してきた小売業者のようです。
店は 1827 年にトーマス・グッド (Thomas Goode) によって設立され、息子のウィリアム (William) によって拡張された。彼らは、店にふさわしい磁器や陶磁器を見つけるために広範囲に買い付けし、その結果、ヴィクトリア女王やロシア皇帝などの著名な顧客を獲得したと書かれています。
ということは高級な店舗になっていくうちに、お客様の要望からデザイン設計までメーカーに依頼した為名前をいれたのかもしれませんね(現在のPB プライベートブランドみたいなものでしょうか)
形とデザインから年代を推察する
今回の特徴は青いお花でしょうか、古いイギリスのティーカップなどによくみられるおお花なのですがおそらくコーンフラワーのお花だと思います
青い花柄のコーンフラワーについて
コーンフラワー は別名ヤグルマソウ(矢車草)、ヤグルマギク(矢車菊)
キク科に属するようです。(原産地 はヨーロッパ、西アジア)
名前の由来は、イギリスのコーン畑に雑草として生えていた
麦畑や、とうもろこし畑でも、元気にたくましく成長したと伝えられています。
日本でも畑の周りに生えているコスモスみたいな感じだったのでしょうか、イギリス人にとって馴染みのある花ということが伺えます。
花言葉も繊細や優美、幸福などといった大変縁起が良い事とハーブティーとして使われているという点からも食器のデザインによく使われたのだと考えられます。
マリー・アントワネットも好んだコーンフラワーデザイン
18世紀のフランス王妃であるマリー・アントワネットも好んでいてコーンフラワーを描いた洋食器をデザインしたことでも知られています。
装飾デザインはヴィクトリア朝か
ヴィクトリアン ヴィクトリア様式という言葉耳にしたことありませんでしょうか
私は家具をみるときによくその言葉を耳にしますが特に家具の足が猫や獣のような手足
のデザインになっているのがヴィクトリアの印象です。
カトラリーのトングにもよく見受けられます。
ヴィクトリア様式について
ヴィクトリアン様式は、19世紀半ばから後半にかけての一連の建築のリバイバル様式である。「ヴィクトリアン」は、 ビクトリア朝時代と呼ばれるビクトリア女王 (1837年〜1901年)の治世を指す。この時代、ヴィクトリアンと呼ばれる様式が建設に使用された。
ヴィクトリアデザインの特徴とは
女性の様な優しさ流線型、曲線を多用したデザインが数多く、古典的なデザインをふんだんに取り入れ、細やかな装飾や植物・動物モチーフ、金属・ガラスなども使用し、豪華さが際立ったデザインが特徴です。この後の流行する洗練された曲線のアールヌーボーのデザインに対して豪華絢爛という言葉合う気がします。
今回のカップソーサーにおいても流線型を組み合わせた取手の形状や、金彩装飾をふんだんに取り入れたデザインはヴィクトリアデザインの特徴がたくさんに見受けられます。
以上を踏まえると刻印とデザインから1880年代あたりが妥当ではないかと感じました。
総評 〜まとめ〜
T.Goode and Co はメーカーではなく高級陶磁器を販売してきた小売業者の刻印
青い花柄のコーンフラワーはイギリスの伝統的なデザイン
今回のカップソーサーはヴィクトリア様式をふまえた1880年代頃のもの
最後まで閲覧いただきありがとうございました。
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