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イギリスの陶器? Foreignの刻印について

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かわいい砂時計をもった女性のフィギュリンになります。

 

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FAIRYLITE FOREGIN  フェアリーライト フォレインの刻印があります

時折陶器の裏に見られる

外国の意味であるForeignと刻印されていたものについて

これがどこの国の物なのか? 

 

昔、これを購入した時イギリスで買付ているディーラーさんに

これはドイツ製か日本製だと教えてもらった事がある。

 

今回はその理由について

その歴史と由来を追ってみました。

 

 

 ------Contents------

 

 

 

 

様々な説がある。

 

色々調べてみたところヨーロッパの方々に聞いても諸説あるようなので

有力と思える説を3つほど取り上げてみます。

 

 

 

その1イギリスの1897年英国商品マーク法による義務付け

 

英国商品マーク法とは英語でBritish Merchandise Marks Act ティッシュマーチャンダイズ・マークス法と呼ばれていました。(英国商品マーク法:British Merchandise Marks Act) 

 

具体的な理由と細かな条件はわかりませんがこれによりForeign(外国製)と刻印する義務付けられたという説です。

 

 

その2アメリカの1890年マッキンレー関税法による義務付け

 

 1890-93年の米国マッキンリー関税法により、米国に輸入されたすべてに税務上の理由でそのように刻印することが義務付けられたという説

 

1890年10月1日、米国議会は、第25代大統領ウィリアム・マッキンリーによって導入されたいわゆる「マッキンリー関税法」を可決した。この法律は、米国が輸入品にこれまでにない最高の関税を課しただけでなく、原産国に関係なく米国に輸入されるすべての品目に「FOREIGN」と表示しなければならないことを要求した。

 

ーーということは、1と2の理由が共にあってForeignと刻印されたようですね。

答えがわかりましたが、あともう一つ私も海外で聴いた事のある説についても掘り下げてみました。

 

 

 

その3戦後イギリスではドイツ製と書かれたものは誰も買わなくなった為

 第一次世界大戦時対立側であったイギリスとドイツを踏まえると

敵国であるドイツの商品「MadeinGermany」と書かれたものを民衆が買わないのは納得のいく理由ですよね

 

ただ結果的には1と2の事由でこれはどうやら風説であって違うみたいです。

(海外のネットにおいても否定されている内容をいくつか確認しました。)

 

 

 

Foreignという刻印は1923年以降には使われなくなった

 

アメリカは1914年マッキンレー関税法において、イギリスがすでにドイツに「Made in Germany」を使用することを強制していたという事実に基づいて、1923年以降のすべての商品に実際の原産国のスタンプを押さなければならないと規程したそうです。

これ以降原産国が明記されていない商品がある場合は、税関で引き返されたようです。

 

 

 

 書体・フォントがローマン体のものは日本製?

 

これについてはあまり情報がでてこないので断定はできませんが

マッキンレー の関税法において日本からの商品は、Roman type(ローマ風のレタリング書体)を使用することが義務付けられたそうです。

 

ローマン書体はどういうのが特徴か

私たち日本人からしたらローマ風の書体ってどんなのかあまりピントきませんよね。ついでに調べてみました。

 

 

Roman typeは古代ローマの碑文で用いられた書体を意識してデザインされた経緯を持つ活字体を指し、イタリック体、ブラックレター体などと区別された。

下の写真が古代ローマの碑文になります。▼

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この砂時計(フェアリーライト社:おそらく日本製)と

比較してみます

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これだけでは正直似ているとは言い切れませんね、、、

この件についてはまた別のForeignが手に入り次第掘り下げてみようと

思います。

 

 

 

総評~まとめ~

 

 

 ● Foreignの刻印はイギリスとアメリカの法律によって義務付けられた

 ● Foreignの刻印が使われていたのは1890年から1923年あたり

 

 

 

最後まで閲覧頂きありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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