Ginka antiques Blog

ギンカブログ GINKAが仕入れたアンティークやブロカントたちの由来を調べ資料とするページになります。催事の情報も掲載致します。

ST.Michaelの刻印のカップソーサーを仕入れました。年代や窯元はどこか

なんとも素敵なデザインのカップソーサー一式を仕入れたましたのでご紹介させて頂きます。

 

陶器裏のST.Michaelという刻印からどこの焼き物か

ST.Michael (セントミッシェル 聖ミカエル)とENGLANDの刻印が見受けられます。

今回手持ちの英国陶器図鑑に詳細が載っておらず、がっかり

ネットで検索したところ確証はありませんが二つの海外のサイトからわかった情報がありますので掲載しておきます。

 

1) 1815年から1903年の間にスコットランドのグリーノックで作られたようです。

   原文:It appears, after extensive research, that this set was made in Greenock, Scotland in the period 1815 - 1903.

 

根拠となる情報などが載っていなかったのですがこれが一点目

そしてまた別の個人のサイトにてみつけた2点目の情報が下記になります

 

2)セント ミカエル チャイナのマークについてはほとんど知られていませんが、1890~1910 年頃に使用された Clyde Pottery の商号であった可能性があると考えられています。

原文:Little is known of the St. Michael China mark - but it is thought it may have been a trade name of Clyde Pottery used c1890-1910.

 

 

ここにあるClyde potteryというのはクライド陶器という窯元、社名のようです。

クライド陶器はどうやらスコットランドのグリーノックという場所で作られたという情報に辿り着くことができました。

 

以上の2点より、

ST.Michaelの陶器はスコットランド グリーノックで焼かれた陶器という説が有力です。

 

このST.Michaelの陶器はいつ頃のものか? 年代について

 

 

 

ネットの情報から①1815年〜1903年であるという情報と②1890年から1910年であるという情報がありましたが私の見解も含めて説明させて頂きます。

 

裏にENGLANDの刻印がある事から1890年以降の可能性が高い

 

この理由につきましては一番最初に投稿した記事 FOREIGNという刻印について

にもある様に米国への輸出を踏まえてENGLANDと記載するようになった可能性が高いです。

((過去記事より抜粋---1890-93年の米国マッキンリー関税法により、米国に輸入されたすべてに税務上の理由でそのように刻印することが義務付けられたという説

1890年10月1日、米国議会は、第25代大統領ウィリアム・マッキンリーによって導入されたいわゆる「マッキンリー関税法」を可決した。この法律は、米国が輸入品にこれまでにない最高の関税を課しただけでなく、原産国に関係なく米国に輸入されるすべての品目に「FOREIGN」と表示しなければならないことを要求した。----))

 

形とデザインから年代を推察する。

 

1)ケーキ皿が四角い点と菱形のデザインからアールデコの特徴に見受けられます。

アールデコは1910〜20年代あたりに流行しました。また金彩はクルッとカールした文様が1890〜1910年頃流行したアールヌーヴォーの特徴の様な気も致します。

 

2)次に配色、色合いデザインから古伊万里ぽくも見えます。

イギリスのコールポート窯が1800年代後半から1900年代初頭にかけ 日本の伊万里焼の美しい東洋柄にインスピレーションを受け 深いコバルトブルー(藍)や赤・金彩を模して制作しており、また様々なイギリスの陶器がIMARI styleというパターン名をつけるなどして同じ様なデザインを制作していました。 (下記参考写真)

 

総評 〜まとめ〜

 

ST.MICHAELの陶器はクライドという会社のスコットランド・グリーノックの焼物という説が有力である。
今回のST.michaelのカップソーサーは1900〜1915年代あたりのものだと考えられる

 

 

 

最後まで閲覧いただきありがとうございました。

 

 

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